大動脈基部疾患

概要

＜大動脈弁輪拡張症、基部異常＞

　大動脈基部とは、大動脈弁とその周辺の大動脈を指します。大動脈基部が拡張してくると、大動脈弁閉鎖不全症を生ずることがあります。大動脈弁の周りが拡張してしまう大動脈弁輪拡張症に対しては、人工血管と人工弁を併用した手術(Bentall手術)や、自己弁を温存し弁周囲を人工血管にて修復して拡張を改善させる手術（自己弁温存基部置換術；David手術）などを行います。また、すでに人工弁の手術を受けられていて、人工弁周囲に異常を認める方、大動脈解離において大動脈弁から大動脈に異常を認める方などに対しても、大動脈基部の手術を行います。特に、マルファン症候群の方に対しては、この手術が必要となります。

　　図1.大動脈弁輪拡張症 術前　　　　　　　図2.大動脈弁輪拡張症 術後(David手術)